トロン・レガシー

2010年の下半期はあまり映画館に行けなかったので,2011年は頑張ります。
TOHOシネマズ日劇にて。

簡単に言うと,ジェフ・ブリッジス無双。いや,二人出てくるんだけどね。
前作『トロン』から28年。もちろん自分は映画館で観てなくって(そのとき-3歳でしたもの),多分10歳頃に衛星放送で観たんだと思う。ちょうどその頃にWindows 95が発売されて,自分はめちゃくちゃハマった。プログラミング……じゃなくて,ホバークラフトのゲームに。今思えば,あれは『トロン』の影響だったんだろうな。きっと当時の自分にとって『トロン』はプログラミングの話じゃなくって,ライトサイクルの話だったから。
もちろん今作でもライトサイクルは健在で,サイクルバトルとディスクバトルはアクション面でのハイライトだろう。戦術も前作と同じように,先回りして壁に追い込んだり,チームプレイで幅寄せしたり。いちいち懐かしいところを突いてくる演出だったな。
そう,懐かしいところばっかりなのだ。だから絶対に前作を観てから今作に挑んだ方が良いと思う。ケヴィンもアランもちゃんと本人が出てくるし,息子のサムは親父と同じようにエンコム本社の分厚いドアをハックしちゃうし(「大げさだな」的なリアクションまで一緒)。サムがあちらの世界に転送されてすぐにレコグナイザー(漢字の「門」みたいな乗り物)が飛んできたところなんか,もう涙腺があかんかったですわ。戻ってきたー!みたいな。
そんなこんなで大満足したんだけど,まあ不満……は言い過ぎにしても,物足りないところもありまして。えろっちいのもぐろっちいのも一切無いのね!当たり前だよ,ディズニーだから。でもやっぱりパワーとテクノロジーがあるところにはセクシャルなバイオレンス(逆も可)もあって欲しい,ものでしょ。たとえば前髪ぱっつんのお姉ちゃん,たしかに可愛かったけど,お父ちゃんとずーっと雲隠れしてて,何も無いわけなかろう!しかもお父ちゃん,創造主だし!とりあえず交わっとけ!
というわけで,キレイな心でジェフ・ブリッジスの神様っぷりを拝みに行きましょう。もう顔面に「神様です」って書いてあるかのような神々しさ。露骨に創造主。若返りCGで四半世紀前の顔も見られるよ!

牛肉の赤ワイン煮込み


実験の日程に余裕ができたから,週末のも合わせてたっぷり作った。
全体的には「食べるボロネーゼ」とでも呼ぶべきなのか,つまりいわゆるミートソースを作る要領で,塊肉(肩ロース1kg)を煮込んだだけ。本式の(たとえば『ジュリー&ジュリア』にも出てきたような)フランスの煮込み料理,ラグー的なアレを思い切り手抜きした感じかなあ。肉はマリネせずに軽く下味をつけてから焼きを入れただけだし,フォン・ド・ヴォーも使ってないし,香味野菜は全部ソフリットにして余さずスープに入れてる。あとトマト缶も使ってるから,やっぱり「食べるボロネーゼ」ってのが一番しっくりくるな。ソフリットに刻んだパンチェッタを混ぜ込んだのがちょっとした隠し味。
まあトロトロに仕上がってそれなりに美味しかったんだけど,肉の中の旨みって点で,やっぱりお店のような味にはならないのよね…下味?調理法?そもそも肉の質?食べられなくはないから,普通に満足だけど。
ワインはいつもよりちょっと奮発して,コノスルのヴァラエタルじゃなくてレセルヴァにした。スクリューコックじゃないワインなんて久しぶりだわ!もちろん煮込みに使ったのはそれじゃなくて,ボトル650円のやつ。
さて,これから数日間はこれにあれこれ手を加えて食べていきますよ。

追記(2011-01-31 01:30)


たとえば少しほぐしたのをフェットチーネと合わせたり。これも美味かった。

サンディエゴ6泊8日の旅

行ってきました。研究にしろ人生にしろ,色々と現実を見た一週間だった。

会場のすぐ近くにあったTin Fish Gaslampってお店には,ずっとお世話になった。これは最初に食べたセビチェで,他にもタコスやらブリトーやら,とにかく魚介のファストフードが充実してた。エビのタコスも美味しかったな。
今回はYelpっていうアメリカ版の食べログみたいなウェブサイトであらかじめレストランのリストを作ってから渡米したので,あちらでの食事には全然困らなかった。食べログっていうか,衣食住に関するすべてのお店やサービスに口コミがついてて,しかもその口コミ数が日本の一般的なウェブサイトより一桁多い。facebookともダイレクトにリンクしてて,あちらの個人情報の集積・蓄積されっぷりは日本の比じゃないってことを実感した。

会場の裏側から,向かいに横たわるCoronado islandを臨む。日が出てる時間帯はシャツだけでも汗ばむくらい。それにしても,こんな天国みたいなところで生活して,アホにならんのかしら。

学会以外で今回の目的の1つ,Karl Straussのレストランにて。Breweryの直営で,樽がいつでも10種類飲めるのだ。んで,10種類飲んでやった。これは6種類のお試しセットで,お試しとはいってもそれぞれが日本の居酒屋で使うくらいのグラスになみなみと注がれてて,それでUSD6.50!いやあ,天国だなあ。
このRed Trolley Aleももちろん美味しかったんだけど,一番ビックリしたのはIPAだった。口に含んだ瞬間は強烈なグレープフルーツの香りで,最後にカラメルっぽいコクの余韻が広がる。IPAって苦手だったのに,あれならいくらでも飲めると思った。
あと,Belgian Brown Aleも美味しかったな。バニラっぽい香りと,ほんの少しスパイシーな舌触り。結局お試しセットの他に(実はこれの存在を知ったのは終盤で,それまでに色々飲んでた)あれこれ5杯グラスで注文して,かなーりでろんでろんになった。
このお店を訪れたのは学会4日目の夜で,それまでにあちこちでStoneとかAleSmithBallast Pointのビールもあれこれ飲んでたんだけど,Karl Straussのビールが断然好みだったな。とりあえずDowntownのRalphsでRed Trolley AleとOctober Festを半ダースずつ買ってきたから,ビール屋さんにおみやげで持って行こう。

最終日はCoronado islandにわたって,太平洋に夕日が沈むところを激写してきた。サンディエゴはいつでもどこでもランナーがいて,ここでも海岸沿いを走ってる人にたくさん出会った。真っ白でふかふかの砂だから,走りづらいと思うんだけどな。ホテルから川沿いをずーっと行って河口に出たところはドッグビーチになってたんだけど,そこの砂はもう少し黒っぽくて粒も粗かった。土曜の早朝に走ってそこまで行ったとき,デジカメを持参してなかったのが今でも悔やまれる…。

島から対岸のDowntownを眺めたところ。そんなに大都市ってわけでもないんだけど,季候は良いし,治安も良いし,ビールもワインも料理だって何でも美味しいし,自家用車があれば交通手段には困らない(市街地の公共交通はほとんどバスのみ)だろうし,良いところだったなあ。

引越し7ヶ月記念パーティー

ええ,ただの口実ですとも。今回は魚介縛りです。

さばと大根のしょうが煮。煮物用の醤油が切れそうだったから仕方なく薄口で味付けしたんだけど,何だか淡白な見た目になっちゃったな…針しょうがが20Gくらいぶっといのは気にしない。
大根があまり良くなくて,頑張って包丁入れたり下茹でしたりして,何とか食べられる感じになった。鳴門金時の裏作で作ってる里浦の大根が食べたいです…。

銀だらの西京焼き。時間がなくてどうなることかと思ったけど,意外と味が染み込んでて助かった。いつもは水洗いして味噌を落としちゃうんだけど,今回は薄味になっちゃうのが怖かったから,手で拭う程度にしてみた。もちろんそれだけ焦げ付くリスクは上がるわけで,焼いてる間はお客様そっちのけでキッチンに張り付いてました。
今のキッチンはグリルがないからフライパンにクッキングシートを敷いて蒸し焼き風にしてみたんだけど,ふっくら火が通って美味しかったな。何より洗い物が楽ちんで助かる!

研究室旅行2010

群馬に行ってきた。
一日目は榛名と水上。ロープウェーに乗らず汗だくだくで榛名山に登り,榛名湖で手漕ぎボートに乗った。同乗した同期が「榛名湖で一番スピード出してね(はあと」とか言うからやべーこれ失敗したら沈められる…と思って頑張ったんだけど,ありゃあダメだね。デートとやらでボートに乗ったらあかん理由がよく分かりましたわ。
そのあとは温泉に入って,飲み食いして,花火。まだまだ手持ち花火が楽しいお年頃です。

教授がパキッて折ったらピカッて光るやつ(ルミカライトだっけ)をたくさんくれたから,長時間露光で色々書いてみた。数文字くらいなら意外と簡単に書けるもんだ。YouTubeで見かけるような,複数人・複数色のにも挑戦してみたんだけど,それは結構難しかった。
今日は赤城高原に移動して,ソーセージ作ってビール飲んだ。ソーセージが作りたいんじゃービールが飲みたいんじゃーとかギャーギャー騒いでたら案が通ったみたいで,先輩はとても嬉しかったです。クッソ暑い中レストランまで辿り着いていただいた1杯目のピルスナーはそりゃもう天にも上る美味しさだったんだけど,2杯目のケルシュもまた格別でしたわ。喉渇きすぎてて写真取るの忘れた。

その辺にいたラマ。てこてことダルそうに歩いてはこっちに振り返って「キリッ」て顔するから,見てて飽きなかった。サクラ(オス)がいたり,ケンタ(メス)がいたりと,ややこしいネーミングですなあ。
さて,これで9日間にわたる現実からの逃避行もおしまいだ…明日からまた頑張ろう。

実家散歩

前回から数ヶ月ぶりに,二日間だけ帰省してきた。夏の帰省は実に5年ぶりで,つまり前回はまだ10代だったことになる…ああ,おそろしい。

実家の南側は田んぼが続いていて,国道を跨いだところで四国山地にぶつかる。写真の正面に構えているのが,「向麻山(こうのやま)」という小さな裏山だ。この読み難い名前は,遠く吉野川の対岸に,鳴門市の「大麻山(おおあさやま)」を臨むことに由来するらしい。「たいま」じゃなくて「おおあさ」ね。
この「麻」は古代から近代までの徳島(阿波国)を理解するために重要なキーワードで,そもそもは大昔に「忌部(いんべ)氏」という氏族がやってきて穀や麻を植えたんだとか。その穀とは,言うまでもなく「粟=あわ=阿波」だ。ちなみに房総半島にも「あわのくに=安房国」があるけれど,これは忌部氏黒潮に乗って北上し,かの地に定住したからだと言われている。実際に「房」も「総」も穀物がたわわに実った状態を表すらしいから,これは事実なんだろう。
小学校の校歌に,こんなフレーズがあった。

むかしいんべのかみさまが えらんであさをうえられた

麻を植える,と書いて「麻植(おえ)」と読ませる。実家が位置する吉野川市は,平成の大合併以前は麻植郡と呼ばれていた。その中でも何かしらゆかりの深い地域がいくつかあるようで,実家周辺もそのひとつらしい。何しろ実家の大字は「麻植塚(おえづか)」で,字は「堂の元(どうのもと)」。塚があるとか堂があるとか,近所の神社はこれまた忌部氏に関係があるとか,そもそも向麻山のふもとだし,こりゃ絶対その辺に古墳とかあるだろ!ここ掘れわんわん!…っていうのが自分の小学生時代だった。銅鐸だか勾玉だか,とにかく掘り当てて一攫千金!…って本気で考えてた。
…やっぱり気の毒な子だったんだなあ。

教科書的な夏の空。

裏山のふもと。

小学生のときは,ここも本気で掘り返すつもりだった。多分ただのお墓だろう。

山頂から徳島平野を臨む。これは写真を7枚繋ぎ合わせて作った即席パノラマだ。吉野川は左から右へ流れている。標高は100メートルもなく,山頂までは徒歩で10分程度。そこにも小さな神社があって,その名も「竜眼神社」という中学二年生が泣いて喜びそうな場所なんだけど,何故か自分の琴線には触れなかった。

ちょうどJRの列車が通りかかった。ご存知のとおり,徳島県は全国で唯一,未電化路線しかないところだ。当然これもディーゼル機関車,しかも一両ワンマン運転。帰省するたびに時刻表がスカスカになっていく。

ふもとにある公園。てっぺんのロケットまで,よく登ったもんだ。
もしかしたら,夏に帰省することはもう二度とないかもしれない。そう呟いたら母親が少し悲しそうな顔をしたけれど,まあ,そういうもんだろう。