シカゴ6泊8日の旅その2

ダメだ,変な時間に寝起きしてしまう…。

18日

この日はずっと学会会場にいました,おしまい…じゃ味気ないので,もう少し。
午前6時に開店する近所のカフェがFree Wi-Fiだったので,まずは朝一番で食事と回線を確保した。ここのダークローストがかなり美味しくて,3回訪れて3リットルは飲んだと思う。それ以外に近所のセブンイレブンで何度か買ったフレンチバニラも美味しかったな。何せ24 fl oz(約720mL)で1.69USDとか1.89USDなのだから(しかもカフェはrefillし放題!),もうひたすらコーヒーばかり飲んでいた気がする。
そして8時過ぎに学会会場へ。他人の発表は軽く済ませて,とにかく翌日に迫った自分の発表準備ばかりしていた。昼食はフードコートの屋台で買った,どう見てもパーティーサイズのサラダ。野菜と肉とチーズばかりで食べるのに疲れて(歯列矯正的な意味で),結局この日は夕食を抜いてしまった。空腹だけど面倒だから食べない,というジレンマにもかなり慣れてきたなあ。

会場から眺めたミシガン湖。少し巡った限りでは,この場所が会場のWi-Fiを一番強く拾えて,電源供給もあって,かつ眺望が良いので,ずっとここに居座っていた。
きれいな色してるだろ 海みたいだろ 湖なんだぜ これで…

19日

いよいよ自分の発表日。コアタイムは10時から11時だったのだけれど,7時半過ぎに会場入りしてポスターを貼った。自分も含めてミトコンドリア動態の仕事が4演題もあったので,否が応でも気が引き締まる。
最初に訪れてくれたのは,いきなりChen(Chen et al., J Neurosci., 2009.の筆頭著者)。彼は自分の6枚隣にポスターを出していて,まだお互いに聴衆がほとんどいない時間帯に来てくれたのだ。ここでガッツリ深い議論をしておいたので,これ以降は気が楽だった。Chenのラボは2008年にCell論文を出していて,自分はその手法を大いに参考にさせていただいているので,ミトコンドリア動態というものを如何に数字に落とし込むか,その定量解析手法についてたくさん話せたのが一番の収穫かな。
さらにコアタイムにはMacAskill(MacAskill et al., Neuron, 2009.の筆頭著者)も登場した。彼は5日目にポスターを出していて,是非訪れようと思っていたのだけれど,あちらも見に来てくれるとは…今回来場を確認していた中で一番話したい人だったので,かなりの時間を割いた。自分が発見した現象のカルシウム依存性について,まさに自分が考えていることをサラッと突っ込まれたので,頭が良いのだなあというか,気付く人は気付くのだなあと感動した。
とにかく,各分野の専門家が絶え間なく押し寄せるので,全く気が抜けない4時間だった。感触としては,ミトコンドリア,経時観察,てんかん,AMPKのキーワードで訪れた人がそれぞれ3,2,2,1割くらいだろうか。さらにミトコンドリアでも動態解析の人と興奮毒性の人がいて,てんかんでは動物の細胞生物学からヒトの電気生理学まで幅広く,AMPKは生化学中心といったところ。おそらく演題だけ見て抄録を読まなかったのか,ミトコンドリアの機能不全と神経細胞の形態形成不全の話題だと思って見に来ていた人も少しながら確認された。その真逆だから,自分の研究は面白いのですよ。
今までの学会にない傾向だったのは,経時観察から定量解析に至る一連の流れについて多くの質問が出たこと。あと,遺伝子導入効率の高さについて驚かれることが多かった。つまり,少なくとも自分の実験技術は余裕で世界に通用しているということだ。ふふふ,ダテに日本人やってないぜ。
この学会をとおして実験と研究と今後の人生について考えたことはまた後日書くとして,シカゴ生活に話を戻そう。
夜はH川氏とM本を捕まえて,ホテルの近所にあるExchequer Pubというお店で飲んだ。スティーブン・タイラーみたいな店員のおっちゃんにビールのお薦めを聞いたら,イリノイじゃなくてオレゴンのだけど,1本3USD,5本13.50USDで美味いのが入ってるよと言われたので,それを頼んだ。んで,出てきたのがこれ。ここ数日で軽いエールに慣れきっていたのでモルトの強さがガツンときたけれど,バランスが良くて飲みやすかった。少なくとも,ラベルの骸骨から想像するほどのパンチじゃない。結局自分が3本空けて終了。
ここはなかなか食事も充実していた。いわゆるシカゴ名物は一通り揃っていて,しかも美味い。とりあえずリブとディープディッシュピザをいただいたのだけれど,どちらも申し分なかった。ピザに関しては,最終日のDUE(UNOの支店)よりこっちの方が好きかもしれない。チーズの重さが容赦なくて,胃に溜まる感じがたまらんかったですよ。何というか,DUEのはB+級グルメって感じなんだよなあ。変なところで美味しいのだ,ソーセージとか。
ホテルに帰ったあとは,発表を終えた開放感もあってそのまま爆睡。