脳細胞は宇宙構造と似ているらしい

こんなのを見つけた。
脳細胞画像と宇宙構造画像が似すぎている件 | ギズモード・ジャパン
元ネタはこちら。
The New York Times > Science > Image > Graphic: Separated at Birth?
これってどこだろう,恐らくlayer Vだと思うのだけれど…。"Miller MN"関連の論文をいくつか覗いたけれど,この写真そのものはPublishされていないようだ。勝手な予想だけれど,赤い2つがpyramidalで,黄色い1つがFS...なのかな,何かがmergeされているようにも見えるからよく分からない。こういう風にproxymal dendriteだけ拡大して撮影すれば,たしかに右側の画像と似ていなくもないね。
脳が面白いのは,この細胞とは(もちろん宇宙の画像とも)似ても似つかないような形をしたものもたくさんいて,それらが脳という構造を作っていて,それが計算論的な機能を生み出していて,さらにそこから意識とか心とか感情とかそういったよく分からないものが出てくる,という謎だらけな存在であるからだと思う。分子−細胞−組織−個体−社会というミクロからマクロまでのレイヤーを考えたときに,それぞれのレイヤーの中だけでも謎だらけだし,さらにそれらのレイヤーがどう関係しているのか,いわゆる構造と機能の関係,或いは心身問題(心脳問題),さらに細かく言うと,解剖学的な構造と計算論的な機能と経験論的な心の関係なんてもうほとんど分からないのだ。
だから,何が言いたいかというと,認知科学の欠片と俗説だけで作られたどこぞの脳科学者(笑)ドラマなんて,本職の認知神経科学者にとっても不本意だろうけれど,他のレイヤーから脳のことを知ろうとしている他分野の神経科学者にとっても不本意極まりないってことだ。いや,やっぱりどうでもいい気がしてきた。うん,どうでもいいかもしれない。ただ,認知科学だけ触れて脳って面白いなーと思っている人がいたとしたら,それはクリームだけ舐めてパフェって美味いなーと思っているようなもんだ。