名古屋食い倒れの旅

いや,真面目に学会に参加してきましたとも。
以下,真面目な旅の様子を御覧頂こう。

5時間半バスに揺られて名古屋に辿り着いたあと,ホテルにチェックインするまで少し余裕があったので,まず近所にあんかけスパを食べに行った。これはヨコイというお店で食べた「ミラカン」なるもの。ヨコイの他にチャオというチェーン店も有名らしいのだけれど,ヨコイ=吉野家,チャオ=すき家…的なものだろうと勝手に定義づけて,とりあえずヨコイの方に行ってみることにした。まったく未知の領域だから,まずはスタンダードを押さえないとね。
ラカン=ミラネーズ+カントリーらしく,別々のメニューを組み合わせたものなんだとか。料理の一部始終を眺めていると,これがまた面白い。茹で上げたスパゲティをタライみたいな鉄のフライパンでどっかんどっかんと炒めながら,もう少し小ぶりなテフロンのフライパンでタマネギやら何やらに火を通して,茹で汁みたいな量の油を切った*1麺と具を皿に盛り,茶色い液体をどろどろと回しかけて…出てきたものが,これだ。
これがまた美味いのだ!!!まあ,抜歯してから二日間まともなものを食べられていなかったこともあるのだろうけれど…ジャポネ@有楽町というか,いわゆるロメスパ好きな自分にはたまらんかったですよ。多くのB級グルメが形式昇格の誘惑に勝てずアッパーカルチャーに迎合していく一方で,敢然とその流れに背を向けているところが心を掴む。さすがに毎日食べたいとまでは思わないけれど…。

二日目の午後は,会場を抜けて観光に出かけた。その道中にラシックの矢場とんで食べた「わらじとんかつ」。各方面の経験者から「絶対に途中で飽きる」と散々クギを刺されていたので,みそとソースのハーフアンドハーフにして,さらにトッピングでねぎとマヨネーズをつけて,計8通りの味付けで何とか乗り切ろうと試みたのだけれど…最後はしんどかった。どう頑張ってもみその存在感が強すぎて,どんな味付けにしても通奏低音のようにあの甘辛さが広がってくるのだ。一昔前の食欲があれば,ご飯を3,4杯は簡単に消費してしまっただろう。

三日目に発表を終えて,新幹線に乗るまでの時間を使ってひつまぶしを食べに行った。いわゆる自分へのご褒美とかいうアレである。これは名鉄百貨店の9階にある「まるや」というお店。いば昇や蓬莱軒などの有名店でも良かったのだけれど,大荷物を持って出歩く気にもなれず,かつ三千円に近い値段にも少しビビッてしまって,名古屋駅の近くで済ませることにしたのだった。いやあ,これめちゃくちゃ美味かったよ。ちゃんとひつまぶしの文法を守って,1杯目はシンプルに,次は薬味と,最後はお茶漬けで…という順番で食べきった。
ああ,肝心の発表について。9時半にポスターを貼りに行ったら既に人が待っていて,そこから5時間しゃべりっぱなしでしたとさ。こんなハードな仕事は久しぶりだったな。まあ,学会なんかどうでもよくて,頭の中は名古屋,あの不思議な街に関するあれやこれやの思索でいっぱいなのだ。何だったんだろう,あの街は…。

*1:コンロ脇の一斗缶にでらでらと油を流し込み始めたのには我が目を疑った